Tuesday, January 31, 2012

もしも寿命が分かったら。

去年は身内2人とお別れをした悲しい年だった。

輪廻転生を信じてはいても、大好きな故人と今世で会えなくなるのは淋しい。

私には日本に祖母が1人、アメリカに2人で日本の祖母が一番高齢。今は93かな。

11月末の感謝祭のこと。
叔母の家に招かれて楽しく夕食を囲み、(母方の)祖母Lはそのまま彼女の家に泊まった。翌日朝から激しい腹痛と嘔吐に見舞われ、動くことも出来なくなった彼女は救急車にのせられて病院へ直行。心配された症状の原因は「ピーナツの食べすぎ」と診断された。

「なんだ婆ちゃんびっくりさせんなよ~(笑)」、、、とここで、ハッピーエンドのはずだったのが、ところがどっこい。


念のため行われた検査で、癌が3箇所発見。


しかもステージ4(最終ステージ)

脾臓、腸、そして一番大きいのは右の卵巣にくっついているこぶし大の腫瘍。

そして医者からは6ヶ月との余命宣告。

彼女は過去にも癌を経験しており、一番最近では2年前の舌癌治療でほぼ味覚を失っている。癌との闘いに勝ち、祖父を失った悲しみを乗り越えて強く生きていこうと思った矢先の出来事。

不幸中の幸いか、腫瘍が体の機能に異常をきたしたり、不愉快な症状を起こす位置にないようで、今は元気にしているが、症状が進行すればいずれは看護が必要になるため、自宅でホスピスサービスを受け始めた。

余命って知りたくないなってつくづく思う。昔は本人に知らせず、「胃潰瘍」とかそれらしい病名を本人に告げて手術までし、癌だったなんてこれぽっちも気づかずに退院することも多かったみたいだけど。今はどうなんだろう。「本人には知る権利がある」とかで必ず告知するのかな?

私なら知りたくない。

知った時点で「私は病気なんだ。」と自分の体に暗示を掛けて症状を逆に悪化させる自信がある。

私の祖母「つるちゃん」は大腸がんで、手術しないならもって5年、といわれたことがある。20年ほど前の話だけど、本人には教えず、病院嫌いの彼女はそれ以来一度も受診したことはない。3メートルほどの深さの家の前の川に転げ落ちたときも(ちなみに2回落ち込まれました(汗))、病院には頑として行かなかった。きっと癌は消えていると思う。

祖母Lにつるちゃんの話をすると、「じゃぁ私も日本で彼女と一緒に畑で働こうかしら」と笑顔で言った。

家族みんなは今から別れを惜しむように、時間があれば祖母Lに会いに行っている。義姉なんか祖母Lが昔の話を始めたらレコーダーで録音してた。。。きっと他のいとこにも聞かせたいんだろう。気持ちは分かる、でもあまりやりすぎると「私やっぱり死んじゃうんだ」という無言のメッセージを彼女に送ってるようで、私は何だか複雑な気持ちになる。

私はできれば普通に接したい。だって皆いつかはこの世を旅立つけど、それがいつかは分からない。みんな大切、みんな特別。私だって明日交通事故に会うかもしれないし、脳梗塞で倒れるかもしれない。そんなの誰にも分からない、だから毎日を悔いがないように、誰かを憎んだりしないように、いつ旅立ってもいいようにしておきたいとつくづく思う。